初代も原作も見たことのない生粋の平成の仮面ライダー民から見た、シン仮面ライダーの感想。
この記事では、筆者が印象的に感じたシーンや、好きなシーンをメインにピックアップして記載していこうと思う。
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シン仮面ライダー 予告編
シン仮面ライダー あらすじ
SHOCKERという組織によってバッタオーグという人造人間に改造された本郷猛。
しかし、彼は緑川博士とルリ子と共にSHOCKERから抜け出します。プラーナという力により人を殺してしまい、自分がどうなってしまったのかと戸惑う本郷猛。
そんな本郷の戸惑いなどお構いなしにオーグは迫る。緑川博士が殺される直前、緑川の子供であるルリ子を託される本郷。
本郷は覚悟を決めて、「仮面ライダー」と名乗り、ルリ子と一緒にSHOCKERと戦うことに。彼らは、自分と同じように強化手術を受けてSHOCKERの手先になったオーグと戦う。
ルリ子の幼少の頃からの馴染みや、ルリ子の実の兄である緑川イチローとも戦うことに。
さらに、第2バッタオーグという新しい敵も現れ、戦いはますます激しくなり・・・
バッタオーグの前に現れた蜘蛛男
蜘蛛男、こと怪人クモオーグ
「裏切り者に死を」と言うセリフが印象的な怪人 クモオーグ。
初登場時、ルリ子は生け捕りにしろという命令を受けていたようで、逃げ出さないようにするお仕置きに留めると発言。
仕置きにしては残酷な、まるで指で目を潰そうとするような描写だった。
ルリ子を助けるため乱入してきたバッタオーグ・本郷猛を、オーグ仲間を殺したくはないとのセリフから、比較的仲間意識は強いのかもしれない。
ちなみに、今作においての私の推しである。((カッコいいよ))
クモオーグの車のナンバープレートが度々ドアップで映される。ナンバー「多摩5 に54-10」これは調べると仮面ライダー初代ドラマ版に登場する車と同ナンバーのようだ。忠実に再現しているというアピールだろうか。
仮面ライダー第4話「人喰いサラセニアン」のショッカーの車、ナンバーは多摩5に5410で日産プリンス五反田で購入した模様
— シン・仮免ライダー隼 (@GSR250w) February 17, 2021
本郷猛のサイクロン号のナンバーは品川9ま2499 pic.twitter.com/tO2uClwZ9u
クモオーグを追い、戦闘になる
小屋からルリ子を攫い、スタイリッシュに乗車を決めたクモオーグを、小屋の爆発からアクロバティックに脱出して生き残った本郷猛が追う。
サイクロン号の性能は凄まじく、次のカットではクモオーグの車に追いつくどころか、先回りして待ち構えるほど。
本郷のことをバッタオーグと呼ぶクモオーグに対して、「仮面ライダー」と名乗る本郷。
出待ちされていたクモオーグは、配下の雑魚兵士を呼び出し応戦する。
突然現れる雑魚兵士は特撮恒例なので、特に違和感はないのかなと思う。
昭和チックな戦い
雑魚兵士たちとの戦闘シーンは、最近の仮面ライダーのようなCGの猛襲ではなく、昭和のようなレトロチックな描写になっていた。
雑魚兵士を難なく撃破した本郷。ここからはクモオーグとの一騎打ちが始まる。
公道から飛び降り、川沿いを向かい合って走る本郷とクモオーグ。
人間を憎み、人間を滅ぼことが願いだというクモオーグに、本郷は理解できないような態度を示す。
クモオーグが自身の糸でダムの上に移動したことで、戦いの舞台はダムに移る。
本郷の近接戦闘能力を称えるが、某赤い彗星のように「当たらなければどうということはない」理論を展開するクモオーグ。
本郷は「人間を殺す快感を知りましたね」と発言するクモオーグに、嫌悪感を感じているように見受けられる。
オーグメント同士わかり合えないことを残念がるクモオーグは自身の糸を使ってダムの下に滑り落ちる。
それを追いかけ飛び降りる本郷を、6本の腕でがんじがらめにし、殺害しようとするが、本郷の跳躍と空中での回転により、一人空中に投げ出されてしまう。
「しまりました。空中では、私のほうが、ふり!!」と叫んだ後、本郷の蹴りをまともに食らい、柱に叩きつけられ絶命。
SHOCKERを構成員らしく、溶解し消えていった。
クモオーグとの戦闘シーン
所々、PG12指定映画らしい血飛沫などがあったが、それを除けば初代仮面ライダーのような戦闘シーンの再現だと言うことがわかる。
クモオーグと仮面ライダーが向かい合って走る場面などわかりやすいだろう。
昭和ライダーの古くさい技法をカット割りや最新のCGで見やすく、受け入れやすくしているように感じ、平成ライダーや令和ライダーのCGに慣れ親しんでいる私でも気兼ねなく観覧することができた。
小屋の爆破シーンや、雑魚兵士との戦闘シーンは一部意図的画質を落としていると思われる場面がいくつかあったが、初代仮面ライダーのような戦闘シーンの再現と言う意味では、よく出来た表現に見える。
どうやらクモオーグの乗っていた車や、サイクロン号のナンバーは初代に登場した車両のナンバーの再現らしい。
政府の人間と接触し共闘の契約を交わす
ルリ子の予備のセーフハウスに、2人の人物が・・・『シン・ウルトラマン』でも政府組織にいたあの2人だ。
なぜルリ子の指紋認証でないと入れない予備のセーフハウスに待機していたのか、政府の要人はショッカー組織の指紋でも採取していたのだろうか。
ルリ子は政府と情報交換をし、オーグの殲滅という共通の目的のために契約を交わす。
ここから、ルリ子とバッタオーグこと本郷猛は政府の最重要監視人物から警護対象へ変わるのであった。
仮面ライダー対コウモリオーグ
政府の最初の依頼であるコウモリオーグの殲滅。
バッタオーグの本郷猛は「人を殺すこと」を恐れ、敵の死をも悲しむ優しすぎる性格が故、覚悟ができず緑川ルリ子にお留守番を命じられてしまう。個人的にはこの葛藤をもう少しフューチャーしてもいいのではないかと思う。
もちろん、わずかな映画の時間に仮面ライダーのすべてを納めるのは無理だと分かっているものの、本郷猛を主人公にするならば、そこはもう少し掘り下げても良いのではないだろうか・・・
ともあれ、緑川ルリ子は淡々と「用意周到」な戦いを繰り広げる。
小さなホールのようなステージ上で堂々と生息し研究を進めているコウモリオーグ。
そして人を信用しないため警備は人型ロボット。
緑川ルリ子単独でも簡単に排除できるのに、なぜ政府の連中が掌握しかねかたのか。
おそらくコウモリオーグの研究がなんなのか、どのような危険があるのかなど把握できなかったからだろう。
ここで、バッタオーグこと本郷猛が覚悟を決めて闘いを決意する。
政府組織対サソリオーグ
サソリオーグは政府の担当のようだ。自衛隊組織が弾丸の暴力で殲滅。
サソリなのだから毒を駆使して反撃できたのではないかと思う。しかし、毒を使うような描写はあまり見られなかった。
サソリというモニュメントを登場させたにしては、少々物足りないが、それを払拭させるだけの毒牙の演技を長澤まさみが見事に演じてくれ、そのインパクトこそサソリの毒のような危険な香りを匂わせたので、ここは長澤まさみの勝利である。
しかし、『シン・ウルトラマン』といい庵野さんは長澤まさみの足が好きなようだ。
この描写はぜひ劇場で見てもらいたい。
緑川ルリ子対ハチオーグ
ルリ子が初めて人間らしい表情を見せたシーンである。
クモオーグの人間のような配下を大量に従え突然ショッカー軍団が現れ気づいたころには囲われているという様は仮面ライダーらしさを伺えるが、こちらのハチオーグはいわゆる洗脳による一般人を従えるパターン。
商店街を歩いていると、続々と背後に洗脳された庶民が列を連なるシーンに、有名人が多くいると言われているが、筆者は二度見てもそのような人物は確認できなかった。あのシーンはエキストラではないかと思われる。
ハチオーグとルリ子との対峙シーンで、ハチオーグは洗脳された一般人の他にも複数のショッカーの配下を従えていたはずだ。
しかし、敢えて付き人のスーツの男のみ戦う場に連れているのは、馴染みであるルリ子との一騎打ちをハチオーグも望んでいたのではないかと予想。
女同士の百合などというファンもいるが、友情なのか幼馴染ゆえの情なのか、初めて人間味のある心が通うシーンであった。
こちらもぜひ見てほしい。そしてハチオーグこと西野七瀬さんの「あらら」の表現の豊かさにも個人的には注目して欲しい。(ファンではない)
シン仮面ライダー 2号との対峙
第2バッタオーグ・一文字 隼人
物語終盤、羽化した蝶オーグこと緑川イチローのもとを訪れた本郷とルリ子。
もろもろ割愛するが、第2バッタオーグ・一文字 隼人はイチローがカスタムした怪人で、本郷のように風を受けずに変身できる上位モデルである。
イチローのもとから撤退する本郷たちを追跡する一文字。一文字は、本郷が本調子になるのを待っている様子だ。
風を受け、プラーナを貯めることで本調子となった本郷と戦いたかったのだ。
本郷のプラーナが十分な値になると、自身のサイクロン号のジェットブースターを本郷の進行方向とは逆に噴射して、本郷のサイクロン号を止めた。
二人のバッタオーグ
決着をつけるため二人は向かい合う。
コート姿のバッタオーグ二人が向き合っている構図は、なかなかカッコいいシーンだなと感じた。
一文字に殴りかかった本郷が、マスクをつけてなお力を制御していることを褒めると同時に、本郷の優しさの結果ルリ子がどうなってもいいのかと発破を掛ける。
二人は空中にジャンプすると殴り合いの肉弾戦を開始。
この場面のCGが所々で叩かれたりしているが、個人的には気ならなかったので無問題としておく。
周囲に被害のない空中での単純な力比べを気に入る一文字。ここのシーンすごい好きだし、覚えている人も多いと思う。
コンビナート内の高所での、一文字のセリフは作中でも屈指のお気に入りシーンでもあるので、是非劇場で見て聞いてほしいものだ。
二人の戦いは一文字がやや有利で進み、いつまでも甘い本郷に一文字がしびれを切らし左足を蹴って折る。
本郷に留めを誘うとする一文字の前にルリ子が止めに入り、一文字の洗脳を解く。
一文字の洗脳を解き、本郷のもとへ振り返るルリ子をK.Kオーグが差し、物語は最終局面に……
最終決戦はぜひ劇場へ足を運んで、自身の目で見届けてほしい。あなたも目撃者になろう!!
シン仮面ライダーはIMAXのほうがいい?
IMAXについて
シン仮面ライダーは劇場によっては、IMAX上映を実施している。
まず、IMAX上映とは下記のような利点がある。
明るく鮮明な2K映像
2つの高性能映写機を使って、通常の映画館よりも1.6倍くらい明るく、鮮明な映像を見ることができます。映像をリアルタイムで調整したり、よりリアルな臨場感のある映像を見ることができます。
5chサウンドシステムで映画の世界へ
5つの音声チャンネルから流れる音で、映画をより楽しむことができます。重低音で身体を揺らしたり、ささやき声や戦闘音が耳元で聞こえたり、モンスターの足音が後ろから聞こえたりします。さらに、IMAXデジタルシアターでは、どの席に座っても音響効果が変わらないように設計されているため、どこでも同じ楽しみ方ができます。
専用空間で圧倒的な没入感!
大きなスクリーンを客席の近くに置いて、映像を上下左右に広がるように見せます。座席の角度や音響システムなどが組み合わさることで、映画に完全に没入することができます。しかも、IMAXデジタルシアターでは、どの席に座っても同じような体験できるのが魅力である。
シン・仮面ライダーは通常上映のほうがいい
シン・仮面ライダーを、私は通常上映とIMAX上映の二つを観覧した。
今回のシン・仮面ライダーは昭和の仮面ライダー1号・2号の再現でありリメイクであることから、わざと画質を落としている都合上、高画質を謳っているIMAX上映を生かし切れないと感じた。
逆に、それがレトロで良い味なのである・・・先に述べた「明るく鮮明な2K映像 」は、相性が悪い。
正直なところを言うと、爆発などの爆音が体全体に響き渡る衝撃と、明るいのに荒い映像で頭痛が起こったので、苦手な方は通常上映でよいかと思う。
しかし、湾曲する巨大スクリーンは、中央の席以外でも見やすく臨場感があり、5chサウンドシステムはまるで目の前で爆発が起きているかと錯覚するほどの体全体で感じる音響、スクリーンの中に入り込んだ気分になれる。
荒い画質が気にならなければ、通常上映とは違った感覚で楽しめることは間違いない。
シン仮面ライダー 予習や予備知識なくても楽しめる?
筆者2名は初代の仮面ライダーも原作も知らずに行ったが、十分楽しめる映画だった。
予備知識をつけるならば、仮面ライダーシリーズよりも、まずシン・シリーズである『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』を見てから劇場へ足を運んだほうが繋がる部分があり楽しめるかもしれない。
シン・仮面ライダーを観て、より深堀りしたい場合は、原作漫画や初代ドラマの仮面ライダーを復習するのがオススメ。
どちらかというと、シン・仮面ライダーが『仮面ライダー』という作品の窓口になりえる作品だからだ。
映画を観た後に、原作漫画や初代の仮面ライダーを観た方が、映像や絵の古さ、時代故の技術の差による抵抗感が少ない。
筆者も今まさに履修中である。
まとめ
シン・仮面ライダーは、初代や原作の要素を入れつつ、新しく作り直された仮面ライダー像を見せてくれた。
所々に「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」で感じた、庵野節を感じるように思う。
私はこの多くは語らず、良くも悪くも視聴者に考えを任せるスタイルが嫌いではない。むしろ見応えを感じて好きである。
余談
来場者特典として配られているコレクションカードを皆さんは貰えただろうか?
前述の通り、私はクモオーグが好きなのだが。
なんと、公開初日の配布分でクモオーグの名前入りレア加工バージョンを引き当てる豪運を披露した。
このカードはこれから一生大切にするつもりだ。是非皆様も、推しのレアカードを当てていただきたい。